母のお見舞い。
メガネにマスク姿で行ったら、母、私に気づかず。
ボケてしまったのかと焦る。
ずいぶんと痩せてしまった。
いつ退院できるかわからないし、
リハビリ以外やることないし、
弟も私も仕事があるから休日しか来れないし、
いろいろと気力を失ってしまった様子。
元気なし。
談話室にいる、他の患者さんたちを見てみる。
整形外科だからか、車椅子のお婆さんが多い。
若い人は、部屋にいるのだろうか?
談話室にあるのは、テレビ、本、新聞。
そして、ぬりえ・間違い探し・めいろ・計算などのプリントと色鉛筆。
プリントを見てみる。
全て、幼児向け学習プリント。
(お見舞いにきた子ども用なのかな?)
と、息子に渡す。
しばらくして、リハビリから帰ってきたお婆さんが
「ぬりえする?」
と看護師さんに聞かれている。
ぬりえをする息子に声をかけ、色鉛筆をお婆さんに渡す。
お婆さんが、
「フタが開けられない。」
というので、私が代わりに開ける。
そうか。
ここにある幼児向け学習プリントは、お見舞いに来た子ども用じゃなくて、入院してるお婆さん用なのね。
幼児向け学習プリントをするお婆さん。
フタが開けられなくて、開けてもらうお婆さん。
自分1人で歩けなくて、車椅子を押してもらうお婆さん。
ゆっくり大きな声で話しかけないと、言葉が通じないお婆さん。
お婆さんたちの姿が、園児だったころの息子と重なる。
老いるって、赤ちゃんに戻るってことなのかな。
リハビリ待ちで、ぼんやりテレビを見る母を見ながら、もう少し「お母さん」でいてほしいなと思った。

「お見舞いのお花、買うの忘れた!」と言ったら、息子がホトケノザを摘んできてくれました。
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