スーパーの見切り品コーナーで、ザクロを見かけた。

ザクロジュースなら飲んだことがあるけど、生のザクロは食べたことがない。

以前、息子が
「育てて食べてみたい!」
と言ったので、苗は家にあるのだが……。

実がなるには、だいぶ時間がかかりそう。

息子に声をかけると
「〇〇くんが育ててるザクロと、味が違うのか試してみたい!」
と言う。

さっそく買って帰る。

帰るなり、YouTubeでザクロを検索して、予習する息子。

「ミソハギ科だって。」
「蕾がついて、花が咲くまで1年かかるんだって。」
「1日に食べていいのは2個までだって。」

と、ザクロ情報を教えてくれる。

ザクロを手に取って、
「重い!」
「ずっしりしてる!」
「先っぽがチョンッてなってる!」
と、ソワソワウロウロする息子。

「食べてみる?」
と声をかけると、
「うん! 〇〇くんが切る!」
と、包丁を取り出す。

「わぁ! 硬い!」
「汁が出てきた!」
「あ! 切れたよ!」
と興奮しながら真っ二つ。

「見て! 中身!」
「綺麗! ダイヤモンドみたい!」
「こんなふうになってるんだね。」
「ひとつ味見してみるね。」
「んっ! 美味しい!」
「タネが邪魔だな。」
目をキラキラさせながら、ザクロを口に運んでいる。

「ママにもちょうだい。」
と言って、一粒もらう。

甘酸っぱい。
ほのかに渋みがある。
ほぼ、タネ。
実を食べると言うより、タネの周りの汁を吸うという感じ。

真紅のツヤツヤした小さな実が、本当に宝石のよう。

「綺麗だねぇ。」
「意外と美味しいね。」

口に入れ、プチプチチュッチュと汁を吸い、
ペッペッとタネを吐く。

実は綺麗だけど、綺麗に食べるのは難しい食べ物だな……。

半分くらい食べたところで、
「ジュースにしよう!」
と息子から提案。

ザルの上で潰す。
実がツルツルするので、潰しにくい。

「ちょっと待ってて。」
と、息子が台所から網じゃくしを持ってきた。
網じゃくしでザクロを抑え、その上からすりこぎで潰す。

「お! 潰しやすい! よく考えたね!」
と言うと、
「そうでしょ。」
とドヤ顔する息子。

絞った汁を
「ママにもあげるね。」
と、コップに半分ずつ分けて、サイダーを注いでくれる。

ザクロスカッシュの出来上がり。

ひとくち飲んで
「うまい!」
と、また目をキラキラさせる息子。

初めて食べるザクロ。

その実の生態を調べて、
観察して、
食べてみて、
ひとつひとつに、感動する息子。

ただの果物なのに。
私なら、さっさと食べて、
「意外と美味しい。」
で終わりなのに。

子どもにとって、未知なるものは、
何だって発見と感動なんだ。

そんな子どもを見て、私まで感動してしまった。

私も、些細なことでいいから、もっと感動して生きたい。

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ルビーみたい! うっとりする。
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息子が作ったザクロスカッシュ。美味。