一気読み。




美しい作品と、美に価値をつける人間の業。

美と醜。

美しいものと醜いやり取りが蛇のように絡まり合い、
翻弄される作品。

どう着地するのか先が読めず。
転がるようにページをめくって、衝撃のラスト。

美しさ、価値、伝統、文化。

その全てがある街、京都。
その京都を舞台に、
画家、画商、美に関わる人間と人間の駆け引きが渦を巻く。

素晴らしいアートミステリー。

原田マハさんの作品は裏切らない。

「最新」であることに価値を置く東京から、
「伝統」と「文化」に価値を置く京都に身を移した主人公。

『異邦人(いりびと)』である主人公が、成長していく姿も、また美しい。

あらすじからは想像もつかなかったストーリーに、
嬉しい悲鳴をあげた。



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京都に住みたくなる。美術館や画集で、絵を見たくなる。