西加奈子さんの小説は、女の子に優しい。
優しくて、背中をそっと支えてくれる感じがする。

背中を押すのではなく、支える。



この本は、8つのお話からなる短編集。

どれも良いお話で、どのお話がいちばん好きとは言いづらい。
どれもいい。
読むその時の気分で、好きなお話が変わりそう。

あえて言うなら、
『あねご』
が、今の私にいちばん突き刺さった。

いわゆる
「いじり」
がテーマの話。

私も、のんびりした大人しい性格のせいか、
たまにいじられる。

とりあえず、その場の空気を読んでいじられるけど。。。

いじりが面白いと思っている人は、大抵めんどくさい人。
そっと距離をおく。

『あねご』を読んで、いじられ役に徹している人たちの優しさに、切なくなった。

本当に、本当に、
「あなたがいてくれて良かった。」
と思った。

この本に出てくる女の子たちも、
この本を読んでいる女性たちも、
本当に、本当に、
「あなたがいてくれて良かった。」
と思った。

生きるのがややこしくて、
心がめげそうな女の子、女の人は、
西加奈子さんの小説を読むといいと思う。

心のない言葉は人を傷つけるけど、
西加奈子さんの言葉は、人を助けてくれる。



IMG_5543
ブログを書く前に読み返したけど、やっぱりどのお話も素敵だな。