思ってたのと違った。
映画の告知を見て、先入観を持って読んでしまった。
--だけど。


朝が来る (文春文庫)
辻村 深月
2018-09-04



特別養子縁組で子どもを授かる夫婦。
授かった子どもを特別養子縁組に出す女性。
この2つの人生を、見ることができてよかった。

人には人の、いろんな人生がある。

子どもを望むのに、授かることができなかった人の人生。
周囲のプレッシャーや、不妊治療の苦痛。もしかしたら授かるかもしれないという、捨てきれない希望。

望まない子どもを、授かってしまった人の人生。
子どもを愛せない気持ち。産みたくても、産めない環境。頼る人のいない不安。シングルマザーで生きることの困難。


出産を「生産性」という言葉で表現した政治家がいる。
子育てに価値があるとするなら、それは「産む」ことではなく、生まれた子を「育てる」ことだ。
子どもを家庭で育て、社会みんなで育て、それでこそ子育てに価値がある。

年々教育にかける予算を減らしている政治家は、国民を育てること、つまり国家を良くすることを軽んじている。
それなのに、産むことだけに価値を置いて、「生産性」だなんて言うのは、ちゃんちゃらおかしい。


子どもを「産む」ことだけに注目するのではなく、
子どもを「育てる」ことに注力する。
そうすれば、日本における養子縁組も進むし、虐待も減るし、少子化にも歯止めがかかる。
私はそう思う。

特別養子縁組のことだけでなく、子育てについて、考えるきっかけになる本だった。


朝が来る (文春文庫)
辻村 深月
2018-09-04




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その全ての人生が、肯定されるように。
全ての人が受け入れられ、認められるように。