立派な、檜(ひのき)の森。

空高く、天まで届きそうな勢いで、まっすぐ伸びた檜。

どんなに体を反らせても、てっぺんが見えない。

枝葉は空高いところにしかなく、目の前は、ガサガサした肌の、木の幹が並ぶ。

さながら檜の神殿、檜の要塞のよう。

森の木が持つ迫力に、上ばかり見て歩いていたら、方向感覚を失った。

森で迷子になるって、こういうことか。

森の木と、街の木。
同じ、人の手入れが行き届いた木であっても、ぜんぜん違う。

大きく育つよう、手入れされた森の木。
美しく育つよう、手入れされた街の木。

人当たりの強い、森の木。
人懐こい、街の木。

木も、性格があるのだろうか。

木も、森も、生き物なんだなと、改めて思う。

ましてや、人の手の入らない、鬱蒼とした森なんて。
生き物としての濃度が高すぎて、入ったら戻れない気がする。

森に、食べられてしまいそう。

ここが、市民の森で良かった。



↓立派な檜の森がある市民の森はこちら↓


IMG_0548
見上げている私を、見下ろしている檜の森。