子どもはドングリや松ぼっくりが大好き。
大人も、帽子をかぶってるドングリや、綺麗な形の松ぼっくりを見つけると、うれしくなってしまう。

でも、子どもが拾ってくるのは、ドングリや松ぼっくりだけではない。

名前の知らない木の実やタネも、どんどん拾ってくる。

「これなぁに?」
「……。なんだろう……。」

植物図鑑には、お花や葉っぱは載ってるけど、木の実やタネは、あんまり載ってない。

そこでこの一冊。


公園や、街路樹、誰かの家の庭先で見た、
あんな実やこんな実、不思議なタネの名前がわかる。

今は冬。
赤い実があちこちでなってる理由もわかった。

冬は虫が少ないから、実を虫に食べられるリスクが少ない。
実は小鳥が食べやすいサイズになっている。
鳥は目が良くて、紫外線領域も見えるので、赤や黒い実が多い。
鼻はよくないので、木の実に良い匂いはない。
美味しい実は、順番に色づく。いっせいに色づくのは、美味しくない(少量の毒があったりする)実。鳥に、ちょっとずつ、時間差で、広範囲にタネを運んでもらうためだ。

一度根を張ると、動けない植物。
動けないなら、動けないなりの作戦を練る植物。

木の実の色の不思議。
タネの形の不思議。
それがわかると、
美しく、したたかな植物の世界がわかる。

とてもおもしろい本だった。

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イヌマキの実が食べてみたい。