目から鱗がボロボロ落ちて止まらなかった本です。
ハイライトをたくさん引いて、何度も読み返しました。
その中でも、もっとも重要で、実践しようと思ったのは、この2つ。
- 「自律スキル」と、「ソーシャル・スキル」を身につける。
- 複数の活動拠点を持つ。
「自律スキル」と「ソーシャル・スキル」については、本文に詳しいことが書かれています。
ここでは、端的に書かれている箇所を引用します。
『自律スキルで大事なことは、自分の得意なことを仕事や趣味の中で存分に生かすことと、自分にできることの限界を知り、苦手なことにとらわれ過ぎないことです。ソーシャル・スキルで大事なことは、社会のルールを守り、筋の通った行動を取ることと、自分の手に余ることについては、頼れる相談相手を確保していくことです。』
これは、
多くの自己啓発本に書かれていることと一緒です。
社会で活躍されてる方々も、同じようなことをおっしゃっています。
社会生活だけでなく、家庭生活においても、同じことが言えると思います。
また、本の中でも指摘されているのですが、
『どんな人でも時間をかけて繰り返し量をこなせば 、必ずできるようになる 』
というのは、教育界にしばしば見られる幻想で、
『何かを目指すときには 、苦手なことを克服することが美徳』
という考えを、改めないといけない
とあります。
この本は2013年の発売ですが、2019年の今も、
「がんばればできる」
「苦手を克服できないのは、努力が足りないからだ」
という風潮は、抜けていません。
そして、この風潮から身を守るためにも、
複数の活動拠点を持つことは、とても重要だと思います。
教育界や、日本社会が、
「努力の押し売り」
「社会性=みんなと同じことをすること」
と考えている限り、
活動拠点が、「学校と家」、または「会社と家」だけになってしまうのは、危険です。
学校や会社に行けなくなったら、家以外に、いられる場所がなくなってしまうからです。
つまり
- 「自律スキル」と、「ソーシャル・スキル」を身につける。
- 複数の活動拠点を持つ。
は、自閉症スペクトラムの人だけでなく、すべての人に、重要なことなんだと思います。
他にも、
『自閉症スペクトラムの人たちは 、発達に独自のスタイルを持つ人種』
『非障害自閉症スペクトラム』
『小学生のうちは 、世間の荒波にもまれる必要はありません 。むしろ 、荒波にもまれてはいけません 。この時期に荒波にもまれると 、プラスの学習ではなくトラウマとして記憶され 、将来 、フラッシュバックを起こしやすくなります 。』
など、目から鱗がこぼれる箇所がたくさんありました。
本書は、
『自閉症スペクトラムの人たちが得意とするところを素直に活用し、苦手なところを自然体で誰かに相談しながら生活することができれば、むしろ魅力的な個性として、その特性を活かしていくことができるということを、忘れないようにしてください。』
という、優しい言葉で締めくくられています。
発達障害を、障害ととらえない。
社会が、障害を作らない。
そうすれば、すべての人が、生きやすくなる。
そのことを、教えてくれる本です。
『臨機応変な対人関係が苦手で 、自分の関心 、やり方 、ペ ースの維持を最優先させたいという本能的志向が強いこと 』
という自閉症スペクトラムの特性。
私にも、当てはまるんだよねぇ。
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