私の12月マンスリーベスト本、第1位🥇は、
  • 『謎の毒親』姫野カオルコ・新潮社文庫
に決定!!!

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毎月5冊以上の本を読むと決めた2018年。
最後の月も、ギリギリの5冊でした
いつも少ない中でのベスト本発表、すみません

さて。

『謎の毒親』は、ほんとに、「えええーっ?!」という毒親が出てきます。
凄惨な暴力とか、悲惨な貧困とかはないのですが……。
とにかく、
「メンタルがやられる」毒親。
「こどもの心を踏みにじる」毒親。
が、出てきます。

実際に、
「肉体的な暴力を振るわれたわけじゃないけど、精神的な暴力を親から受けた人」
というのは、多いんじゃないでしょうか。

この本は、後者の方の、ひどい親が出てきます。

しかも、著者、姫野カオルコさんの、実親で実体験。

キャーーーー!!!


しかし、その体験を、「つらい思い出」として記録するのではなく、「小説」として物語にしてしまうのが小説家の小説家たるゆえん。

「相談小説」と帯にある通り、自分の体験を他人に相談するという設定で、つらい思い出のシンドさが、軽減されています。

毒親と、その子どもと、相談者。

第三者という客観的な視点と、何より著者・姫野カオルコさんの冷静で俯瞰的な視点により、悲しいテーマが悲しいお話で終わっていない。

実親を、ただの「毒親」ではなく、『"謎の"毒親』と呼ぶ。
そうすることで、理不尽な経験を、理解しがたい実親を分かろうとする。
そしてその思い出を、相談小説というかたちで、物語にしてしまう。

小説家のすごさ、姫野カオルコさんのすごさを、感じた1冊でした。

以下、私が12月に読んだ本の感想です。


読了日:12月06日

「国家に依存するな、国家を道具として使え」

というのが、著書の主張。


雇われて生きるより、自分でマイクロ法人作ったほうが良いよ、ということが、とても具体的に書いてある。

起業したい人は、手続きや税金のことが勉強になる。

それだけではなく、「やりたいことやって生きていく」人は胡散臭く見られる。けれどその人が、「会社社長」の肩書きを持ってたら、周りの見る目が変わる。

という著作の主張も納得。


さて、私も含め、法人化したいほどやりたいことがある人って、どのくらい日本にいるんだろう。


以下、本文で印象的な言葉。


「年功序列プラス終身雇用制とは原理的にネズミ講」

「発展する都市は同性愛者だけでなく、移民やボヘミアン(芸術家)などを寛容に受け入れ、彼らが生み出す多様性に魅かれて教育水準の高いひとびとが集まってくる」




謎の毒親 (新潮文庫)
姫野 カオルコ
2018-10-27


読了日:12月07日

主人公の客観的な視点と、相談者の第三者の視点のおかげで、毒親を親として小説に昇華してるけど……


やっぱりこんな親イヤだー!


 『昭和の犬』を読んだときも思ったけど、やっぱり著者の実体験だったとは……。


親を毒親と呼ぶことで、自分を責めないで済むのなら、その言葉を使って欲しい。

悲しい過去を無理に忘れないでいいから、楽しいことと分類して欲しい。


悲しい思い出は、時間が捨ててくれる。


その著者のメッセージか優しい。



読了日:12月18日 

「一番の財産は自分のアタマ」


迫害を受けてきたユダヤ人の言葉だから重い。


ユダヤ人の家庭で大事にされている、「読書」「コミュニケーション」「ハッピーでいること」「健康」は、子育てにかぎらず、すべての人に大切なことだと思う。


「子どもたちをじっくり観察し、彼らが進みたい方向へちょっとずつ道を敷いていく。

具体的に言えば、

⚫︎子どもたちの冒険を応援し、

⚫︎冒険に参考になるものを与え、

⚫︎障害を取り除いてやる」

という親の役割は、大変参考になった。



サラバ! (上) (小学館文庫)
西 加奈子
2017-10-06


読了日:12月25日

西加奈子作品の特徴である、アップダウンの激しさ。

それが今回は小刻みに起こる。

波のように、繰り返し、繰り返し。


マイノリティーや宗教の気配。


先が読めない。


できるかなV3 (角川文庫)
西原 理恵子
2013-11-08


読了日:12月28日

脱税とか、ホステスとか。

相変わらずアウトローなサイバラさんと、そのお友だちのお話が満載でした。


毒のある漫画でありながら、マイノリティーに対する優しさがチラホラ。


サイバラさんの、毒と優しさのギャップに、みんな好きになっちゃうんだろうなぁ。


以上  12月に読んだ本でした!